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2009年11月

2009年11月28日 (土)

桑田佳祐 新曲「君にサヨナラを」

サザンの桑田さんのソロシングル「君にサヨナラを」が、もうすぐ(12/9)発売。

 

先日、桑田さんのラジオ「やさしい夜遊び」で初披露された際、

ラジオのスイッチを入れるのが遅れて、(台所のお掃除に、つい力が入ってしまった、、、)

ちょうど曲が終わり、リスナーからの感想が読まれているところで、

ああ・・・聞き逃してしまった・・・!!とガックリしていたら、

なーーんと!もう一度、曲をかけてくれてビックリ☆

 

そりゃあ、もう

「なんでわかってくれたの!?

 ああ、桑田さん・・・!私のためにわざわざありがとう・・・・・!!!」と

ラジオの前で感謝しました・・・・っっ☆

 

しかし、恒例の歌詞朗読の部分は聞けなかったし、

録音もできなかったので (まさか2回かかると思わなかったので、録音を諦めてしまっていた)

集中して聴いたものの、もっとよく聴いてから感想を書きたいと思っていた。

 

公式に「君にサヨナラを」特設サイトが設けられ、

試聴(期間限定PVフル試聴)できる。(太っ腹だね!)

 

繰り返し、じっくり聴いて、

桑田さんへのインタビューも読んで、

ラジオを聴いて感じた第一印象、「等身大の歌だなぁ」という思いを強くした。

 

50歳を過ぎた人の曲だ。

今の桑田さんだから書ける、歌える曲だね。

そうして、こういう歌を歌って、CDにして、CMにも使われて(ウル・オスCM試聴サイト

売れる桑田さんは、やっぱりすごい。

この人にしかできないんじゃないかなぁ。

 

CD全体としては、

二曲目の「声に出して歌いたい日本文学<Medley>」はテレビ番組「桑田佳祐の音楽寅さん〜MUSIC TIGER〜」内企画で披露されたもので、

名作の一節が歌詞になっている異色の作品。

桑田さん自身も、これを気に入っていたのか、ラジオ「夜遊び」でもフルでかけていた。

CDに収録され、残されることになったのは喜ばしい。

 

三曲目は、「音寅」オープニングテーマ曲「HONKY JILL 〜69(あいなめ)のブルース〜」。

これ、歌詞、記載されるのかなぁ・・・・・

ノリのいい面白い曲で好きだけども。

 

二曲目、三曲目が派手な曲なので、

きっとこの「君にサヨナラを」は、しっとりした曲調なんだろうなぁと予想していた。

 

すると、やはりとても穏やかな、やさしいリズムで、淡々とした歌だった。

歌い始めから

♪いつかは永久(とわ)の彼方へ 微笑(わら)いながら旅立ちたい

と、死にゆくことが前提。

 

これは、ご両親や、昨年亡くなられたお姉さんへの思いが込められている。(インタビュー記事内で桑田さん自身が語られている)

お母さんが亡くなられた時は、「月」

お父さんの時は、「彩~Aja~」

そうして、今回、お姉さんには、この曲。

歌うことで、桑田さんはいろんなことを乗り越え、昇華させてきたのね。

それだけでなく、聴く人皆それぞれにいろんな思いを伝えてきた。

 

桑田さんの曲は、多面体の魅力があって、

聴き手それぞれの心の奥深くに届くメッセージが隠れている。

だから、十代、二十代の若い人が聞いても、この曲には魅力があるだろうと思う。

恋愛の曲だと思って聴いても、なかなかいい曲だ。

 

だけど、この曲は50代の人の歌だ。

私はまだ50には届いていないし、両親もおかげさまで健在なのだけど。

 

若い人は、まだこれから作る未来に夢や希望を持つことができる。

反面、まだ自分が何者であるかわからず、その不安定な足元に迷いや苛立ち、焦りを感じたりする。

 

年を経て、40、50ともなると、それなりに「自分」というものが出来上がってくる。

今、自分が持っている環境、

社会的役割。

それらは、これまでの人生で自分自身が選択し、培ってきたものではあるけれど

運命とも言える何かに押し流されて「こうなった」部分も多分にある。

 

例えば、私にしても

夫の妻であり、娘の母であり、

この家に住み、毎日を過ごしている。

PTA会長をしていた経歴も含め、それが「私」になっているのだけど、

それが、本当の「私」なのか。私が望む「私」の姿なのか。

誰にも、何にも縛られない自由を得たなら、「私」は何を望むか。

この曲は、そこまで言及している。

 

だけど、今の自分にも、もちろん満足をしていて

「今」があるのは自分の力だけではなく、周囲のたくさんの力によるものだと深く感謝している。

こういう気持ちって、やっぱりある程度、年を取らないとわからない。

 

♪この場所にいるのも解けない魔法みたい

 

という一節。

「魔法が解けない」という表現は「TSUNAMI」でも出てきたが、使われ方がずいぶん違う。

「この場所」=今、自分がいる環境、状況 それが「解けない魔法」のようだと歌う。

 

「今の状況」って、つい、ずーっと続くものだと思いがちだけど、実はそうじゃない。

幸せな状況も、つらい状況も、何かをキッカケにガラリと変わったり、

或いは、日々、少しずつ姿を変えていたり。

 

だから、今あるささやかな幸せには、「当たり前」と思わず、感謝しなくては、ね。

そういう気持ちって、大事だよね。

そして、その幸せは「君がくれたのさ」と、周囲の支えも、時々は思い出さないと。

 

二番で歌われている、冬の街中でふと耳にする懐かしい曲で

昔の自分に戻る感覚ってのも・・・・・あるよね。

不意をつかれて、ほんとリアルにいろんなこと思い出して

もう忘れたような嬉しかったことや、悲しかったことが甦ってくる。

 

それにしても、桑田さんなんてさ、

仕事も順調、家庭も安泰、なーんにも心配することなさそうなのに。

傍目にはそう見えるのにね。

やっぱ、どんな人も心の奥に少しのさみしさって隠し持っているのね。

そういう部分を、こんなふうに穏やかに歌って、じんわり気付かせてくれる。

聴くほどに、なかなか良い曲だわ。

2009年11月25日 (水)

ホテルニューオータニ大阪 チャイニーズキュイジーヌ「Taikan En」の飲茶&スイーツバイキング

学生時代の友人に誘われ、久々にホテルでランチ。

大阪城公園駅すぐのホテルニューオータニ大阪3階の

チャイニーズキュイジーヌ「Taikan En」飲茶&スイーツ(オーダーバイキング)

(↑上記サイトで電話予約すると定価3800円が2500円(税サ込み)になるHP特典あり)

 

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食べ放題のバイキングだけど、こんなふうにテーブルに運んでくれるので

落ち着いて、ゆったり食事ができる。

平日だったから、お客さんも少なく(外国人のお客がチラホラ)

開放的な大きい窓からの紅葉の景色を眺めながら、快適な時間を楽しめた。

 

上質のお店って、何が違うかって、やっぱ「快適である」ってことだなぁ、と思うこの頃。

席に着いて、窓からの景色を眺めて、

昨秋、連れて行ってもらった六本木の東京ミッドタウン ガレリア「cuisine francaise JJ (キュイジーヌ フランセーズ ジェイジェイ)」を思い出した。

黄金に輝いていた銀杏並木、素晴らしいお料理、楽しい夢のような時間・・・・・。

 

今年の紅葉は気候のせいか、今ひとつ。

 

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点心って、そんなに量は食べられないわね。

やっぱ、皮があるから結構、おなかにくる。

一番おいしかったのは、ふかひれ餃子かな~。

小龍包もアツアツのスープがたっぷりで、おいしかった。

大根餅(四角いの)はお口の中でとろけて、私はおいしい~!って思ったんだけど

友人の口には合わなかったみたい。ちょっと甘い味がするのよね。

 

スイーツ、杏仁豆腐やココナッツ団子を期待してたんだけど、この日のメニューにはなかった。

黒いゼリーは、仙草ゼリー。薬草だそう。

なんとなく体に良さそうで、味のくせもなく、黒蜜と合っておいしかった。

 

ゴマ団子も香ばしくて、美味でしたわん♪

 

バイキングは、元を取らないと!!って気持ちになるのだけど

割引価格の2500円でも、元を取れたかは、ちょっと自信がないなぁ。

もっと食べたいんだけど、そんなに量が食べられないのよ~~

 

でも、ジャスミンティーの香りがとっても良く、おいしかったし

なんと言っても、ゆったりした雰囲気のお店の中で

のんびりと友人と語らえたことが、ごちそうかも。

 

帰り、大阪城ホールで何かのライブがある様子だった。

桑田さん、ソロライブツアーもあるかもみたいなアナウンスが公式であったよなぁ。

新曲ももうすぐ発売だし、来年はツアーあるのかしら?

城ホールでやってくれるかしら・・・・・・きっと、やるよねっ!!

そうしたら、私、またここに観に来るわ。

 

早くも浮き立つ気持ちを胸に駅へと歩いて行くと

あらら?路上ライブの若者がたくさんいる!

10メートル置きくらいに、歌っているよ。

がなっているような歌声もあれば、とっても上手なハモリを聞かせる二人組みも。

ほぼ、皆、ギターとタンバリン。

駅について、混雑告知の張り紙を見て納得。

この日は「ゆず」のライブがあったのでした。

2009年11月22日 (日)

手さげバッグ、また作ってみた

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秋冬用のバッグを作ってみた♪

以前、作ったバッグ「手さげコットンバッグ、作ってみた」は水色の水玉模様で夏っぽい柄だったので

今度はあったかい雰囲気のバッグにしてみた。

 

大きさも、ちょっと小ぶりにしたんだけど、

デジカメや財布を入れるとパンパンに・・・

もうちょっと大きめに作ってもよかったかも。

 

以前から編んでみたかった花のモチーフ、かわいくできた。

持ち手はレザーの出来上がりのものをつけたんだけど

本返し縫いでしっかり止めつけたんで、かなり時間かかったわ。

 

でも一日で仕上げられ、翌日のお出かけに持って行けたの♪

簡単にできて、使い勝手が良いのがいいわ。

2009年11月13日 (金)

缶コーヒー、ずらり。どれを選ぶ?

昨日は実家へ、両親の様子を見に行ってきた。

昨年、脳梗塞で入院した母親だが、一年経って、ようやく状態が落ち着いてきたと感じる。

人格が、本来の母だし、(一時期、人が変わったかのようで驚いた)

3時間ほど話したけれど、痴呆を思わせる発言もなかった。(以前は、調子が良いようでも妙な発言が1、2あった)

身体の動きもリハビリの甲斐あり、かなり良くなり、

昼間は部屋の移動も、自力で手すりを持ちながらできる。

よくぞ、ここまで回復してくれたと思うと、本当にありがたい。

父も、介護や家事を張り切っていて、なんだかすごく若々しいくらいだし。

 

実家へは電車一本で行けるのだが、途中、快速から普通電車への乗り換えがある。

快速を下り、普通電車を待ちながら、ホームに設置されている自販機をなんとなく眺めた。

 

たくさんの種類のドリンクが並んでいる。

よく見ると、コーヒーだけでもかなりの種類があるようだ。

 

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そして、それぞれの缶の上にコピー(宣伝文句)がつけられている。

さすがサントリーBOSS、凝ってるなぁ~

 

例えば、カフェオレには、『癒される まろやかオレ』

そうだね、カフェオレ飲みたい時は癒されたい時かもしれない。

和みたい。優しさが欲しい。その気持ちを上手にそそっている。

 

しかし、ファーストクラスの「すっきり、洗練の味わい」と

食後の余韻の「上質な大人の余韻」

飲み比べたら、違いが私にもわかるのかしら・・・・・

何がどの程度、どう違うのかなぁ・・・・

でも、たぶん違うんだろうなぁ・・・・・

ものすごく、何かにこだわってます!みたいな宣伝文句がついてるし。

 

ブラックとかカフェオレは、缶を見ずに飲んでもわかると思う。

他のは・・・ううう~ん、、、飲み比べてみたい・・・・

・・・・・・ハッ!!

そ、それが狙いか?!サントリー!!!

購買意欲をかき立ててるわねっっ???

 

でも、私はよほどのどが渇いているか、

或いは、ものすごく寒くてカイロ代わりにホットの缶が欲しい時くらいしか

自販機でジュースを買ったりしないんだもーん。(だって、スーパーで買ったらジュースはもっと安い)

 

その場を離れ、自販機の横に回ると

あら!また自販機。

今度はコカコーラ、ジョージアシリーズが並んでいる。

 

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えええ~~っ、、

これも似たようなラインナップで

一体、どんな味の差があるのだろう・・・・

BOSSの食後の余韻の「上質な大人の余韻」と

GEORGIAのご褒美ブレイクの「香り豊かな午後のご褒美」

味、違うんだろうか・・・・・??

ちょっと気になる・・・・・・

う~~~ん・・・・・・・・・・・・・

 

缶コーヒーをよく飲まれて方、教えてちょうだい。

やっぱ、違うの??

わかるくらい違うの??

2009年11月10日 (火)

読解・曲解講座〜『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』

サザンオールスターズ1998年のヒット曲、
 『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』(作詞・作曲 桑田佳祐
アルバム「さくら」、「バラッド3〜the album of LOVE〜 」収録)
全歌詞&試聴はここ

 
不倫愛をテーマにしたドラマの主題歌だったこの曲、
恋をしてしまった既婚者の心情が細やかに描かれている。

その表現が非常にリアルなため、
「桑田サンって不倫していたの!?」などという人がたまにいるが、
桑田佳祐さんが、そのままの実体験がなければ書けない程度の才能の持ち主であるかどうか・・・。
それに奥様である原さんがキーボードを担当し演奏されているわけだから。


イントロが、まず美しい。
大人の甘さでときめく。華やかな香りが広がる。


ライブ会場での「ワーーーッ」という歓声が入る。

この曲のプロモーション・ビデオは、ライブでの映像(桑田さんが持つカメラの映像も含む)と
横浜の街で愛し合う男女の映像が交互に映る。

サザンのライブは、ステージの桑田さんと観客との性愛の儀のような恍惚感を伴う。
その感覚を、よく伝えているPVだと思う。


 ♪夜明けの街で すれ違うのは
 ♪月の残骸(かけら)と 昨日(きのう)の僕さ
 ♪二度と戻れない 境界(さかい)を越えた後で
 ♪嗚呼 この胸は疼(うず)いてる

薄い月がまだ残る早朝の街。
昨日と何が違うのかというと・・・・
そう、ついに彼女と一線を越えてしまった。
なかったことにはできない責任を感じてる様子。
妻帯者である自分が、彼女にそんなことしてしまってよかったのか、と
彼女を想うゆえの後悔。

「あいみての後の心にくらぶれば」の歌の通り、
抱き合って、より深くなっていく想い。


 ♪振り向くたびに せつないけれど
 ♪君の視線を 背中で受けた
 ♪連れて帰れない 黄昏(たそがれ)に染まる家路
 ♪嗚呼 涙隠して憂う Sunday


通常の恋人同士でも、別れ際は切ない。
やっぱり、いつまでも一緒にいたいし、片時も離れたくはない。

だけど、彼は既婚者で、家には彼の帰りを待っている奥さんや子どもがいるわけで。
そんな彼の帰っていく背中を彼女がどんな思いで見つめているか、
彼は痛いほどわかっているようだ。
ずっと一緒にいたい気持ちは同じだけど、それはできない。(自分の立場を崩す気はない)
家族と過ごす日曜、平凡な夫、父親の顔をしつつ、彼女のことで胸はいっぱいなのだ。


 ♪君無しでは 夜毎(よごと)眠らずに
 ♪闇を見つめていたい


ここで彼は彼女に操を立てている。
妻を抱いたりしないで、君のことだけを考えているよ、と。


 ♪マリン ルージュで愛されて
 ♪大黒埠頭で虹を見て
 ♪シーガーディアンで酔わされて
 ♪まだ離れたくない


マリン ルージュとは横浜港を巡る白い船体がおしゃれな観光船。

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シーガーディアンは横浜のホテルニューグランドにある大人の香り漂うバー。

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(↑ホテルニューグランド)



とってもおしゃれな大人のデート。
めまいがしそうなほど楽しくて、ドキドキする時間。


 ♪早く去(い)かなくちゃ 夜明けと共に
 ♪この首筋に夢の跡

 
だけど、やっぱり彼は家族が待つ家へ帰らないといけない人。
夜は二人で過ごせても、朝には他人の顔。
誰にも知られてはいけない秘密の関係。
それが悔しくて彼女がつけた首筋のキスマーク。
困るけれど、彼女の想いの強さが嬉しくて、帰り道、彼はそっと自分の首筋を撫で、
彼女の唇を思い出す・・・・


 ♪愛の雫(しずく)が 果てた後(あと)でも
 ♪何故(なぜ)にこれほど 優しくなれる

 
とても美しい表現で歌われているが、内容は生々しい。

きっと、奥さんとは終わった後、会話もなく、お互いサッサと寝ちゃうんだろうね。
「疲れてるんだ。」
この言葉を切り札に背を向けて。
奥さんも、もうそれで慣れてしまっている。

ところが、彼女には、いつまでも髪を撫でやりたい、かわいい顔を見つめていたい。
そうしていると、ますます心の奥から、愛おしさが溢れて湧いてくる。
快楽だけを求める“遊び”で彼女と付き合っているわけではない。
どうしようもなく純粋な恋心が彼を動かすのだ。


 ♪二度と戻れない ドラマの中の二人
 ♪嗚呼 お互いに気づいてる


不倫なんて、自分には一生、縁のない他人事だと思っていた。
それが、今、まるでドラマの主人公のようになっていることに驚く。


「お互いに気づいてる」とは、何に気付いているのだろう?

・・・・このドラマティックな恋にお互い常軌を逸していること。
・・・・このドラマに決してハッピーエンドはないこと。
・・・・この恋そのものが虚実であること。


既婚の男と恋に落ちて、
いくら俺に惚れられたとしても、
その先に実るものは何もない。
若い彼女に、そんな恋をさせ、大切な美しい時間を無駄に使わせるのは重い罪だ。

頭の中では、そうわかっていても、心が、体が離れられない。


 ♪棄(す)ても失(な)くしも 僕は出来ない
 ♪ただそれだけは 臆病なのさ

 
とてもズルイ言い方かも知れない。
だけど、本当に正直に言うと、
自分は妻子を棄てることもできないし、
かと言って、君を失うことも耐え難いのだ。
都合のいいことを言っていると自分でも思う。
しかし、いくら選択を自分に迫ってみても、・・・答えは出ない。


・・・なんて正直な男だろう。
きっと彼は楽しい人だけど、根は真面目なのね。
女は、そんな男に惚れちゃうのよね。


 ♪連れて歩けない 役柄はいつも他人(たにん)
 ♪嗚呼 君の仕草を真似る Sunday

 
二人はお互いがとても大切な存在で、必要とし合っている。
「恋人」だけれど、
彼は既婚。
「恋人」にはなれない。

いつも一緒にいて、どこにでも一緒に出かけたいけれど、
実際には、かなり行動が制限される。
人目を忍ぶ緊張感も時には心地よいが、
いくら愛し合っていても、
社内(日曜以外は会えるということは社内不倫では?)で、彼女を特別扱いすることはできないし、
彼女も自分のことを「○○サン」としか呼べない。
他人のフリをする他はないし、彼女は自分のものだとは誰にも言えない。
時々、とても悔しく、歯がゆい気持ちになる。

会えない日曜、
自分の、ふとした仕草が彼女と同じことに気付いた。
例えば、朝のコーヒーにミルクを入れ、クルクルと浅くティースプーンで混ぜ、
うず模様を作ること。
これは彼女のいつもの仕草。
自分は、これまでしなかったことだ。
彼女と向かい合って座ったカフェでの会話を思い出す。
彼女の声、笑顔がまぶたに甦る。・・・会いたくなる。


キッチンに立つ妻は、ダイニングテーブルでコーヒーを飲む彼の心のうちまでは気付かないようだ。
新聞を読むふりをして、思わず笑顔になる顔を隠す。


 ♪好き合うほど 何も構えずに
 ♪普通(ただ)の男でいたい

 
お互いに好きになるほど、もっとしてあげたいことが増えていく。
なのに、できないことが多い。

自分は彼女より年上だし、立場のある人間。
だけど、彼女の前では、何もかもを忘れて、
彼女を愛するただの男でいたい。

勝手な言い分かもしれない。
だけど、彼女といる時、自分の社会的な肩書きや立場を離れ、
“本来の自分”に戻れる自由な気持ちを感じるのだ。


 ♪ボウリング場でカッコつけて
 ♪ブルー ライト バーで泣き濡れて


ボーリングは、きっと得意な彼。
昔取った杵柄、彼女の前でがんばっちゃったかな?

「ブルー ライト バー」は、スターホテル横浜内のピアノバー。

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前出の「シーガーディアン」のあるホテル・ニューグランドと隣り合っている。


 ♪ハーバー ビューの部屋で抱きしめ
 ♪また口づけた

一息で歌われるこの箇所は、とても素敵。
口づけられながら、押し倒されていくのを感じる。


感情の起伏が大変、激しい部分。
ボーリング場で楽しく盛り上がって、
ピアノバーでお酒が入ると、やはり切なさを感じる二人。
ホテルの部屋で抱き合い、ほとばしる愛情。


 ♪逢いに行かなくちゃ
 ♪儚(はかな)い夢と 愛の谷間で溺れたい

 
彼女とのデートは誰にも秘密。
上手い口実を用意して、後ろめたい気持ちを少々感じても、
彼女に逢える期待で高鳴る胸の鼓動が、罪の意識さえ消し去ってしまう。

出会ってしまった運命に踊らされるかのように、彼女との恋に夢中な彼。

「谷間」とは、山が二つあるということ。
二つの山とは、すなわちーーー、妻と彼女。
二人の女性への愛の谷間で、彼は今、苦しくもがき、溺れているのだ。

そして、ここでも、彼女との関係は「儚い夢」とし、
将来のないことを示している。
つまり、彼に離婚の意思は、全くない。

しかし、「溺れたい」と、
この恋によって、社会的に死んでも構わないという気持ちも持っているようだ。
かなり危険な事をしているという認識はあるらしい。


 ♪マリン ルージュで愛されて
 ♪大黒埠頭で虹を見て
 ♪シーガーディアンで酔わされて

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この部分では二人がいる場所を特定することができる。
横浜港を一望できるデートスポット山下公園だ。

観光船マリン ルージュが発着する桟橋があり、
「シーガーディアン」(ホテル・ニューグランド)、「ブルー ライト バー」(スターホテル横浜)も、すぐそばだ。
大黒埠頭は、山下公園から港を眺めて、正面に見える。(位置関係地図


大黒埠頭についての解説は
横浜・鎌倉・逗子・葉山に詳しい“極楽寺坂”さまより・・・(ありがとうございます!)

【大黒埠頭】
バブル絶頂期の1989年、横浜に開通して、美しい姿が話題を集めたベイブリッジ。
そのベイブリッジは、横浜港の入口をまたぐ形で、本牧埠頭と大黒埠頭を結んでいます。
大黒埠頭側にはサービスエリアが設置され、夜にはライトアップされたベイブリッジを
一望できる絶好の景観が話題になり、単なるサービスエリアが、
一気にトレンディなスポットのトップに踊り出ました。
いまでも週末の夜には、肩を寄せ合う若いカップルでいっぱいです。


なんて素敵なのでしょう・・・・!
ムードで酔っちゃうデートになりそう。


二人はマリン ルージュのランチクルーズに乗ったのだろうか。
「愛されて」とあるが、マリン ルージュに個室の客室はない。
「虹を見て」いるということは、にわか雨が降った。
二人は“濡れた”のだろう。

(※実は、ベイブリッジをレインボーブリッジと桑田さんが取り違えて

 「虹」と歌詞にした、と桑田さんご本人が告白しています。 2013.3.4加筆)

 

クルーズではベイブリッジを通り、大黒埠頭を一周する。
そこで、二人はとても美しい幸せな幻を見たのだ。
下船した後、一流ホテルのバーでカクテルを傾ける。

この日のデートは、きっと彼にできる最高のプラン。
愛しい彼女のために練った、
彼が思い描く理想のデート。


そして、それは、家族とは決して行かないだろうコース。
旅先ならともかく、近場の横浜で観光船に乗ることは、まず、しないし、
妻とホテルのバーで高いカクテルを飲むなんて不経済なことは、できない。
第一、妻や家族と来ても、こんなドキドキした高揚感を感じられるわけはないのだ。


 ♪まだ離れたくない
 ♪早く去(い)かなくちゃ 夜明けと共に
 ♪この首筋に夢の跡
 ♪だから愛の谷間で溺れたい

 
楽しければ、楽しいほど、別れの時刻がつらくなる。
気だるい余韻が、まだ体に残っているのに、迫ってくる時間にせかされる。

安穏とした平凡でつまらない帰るべき場所が彼を待つ。
夢の時を過ごしたシンデレラが城から家へと帰る気分だろう。


最後に、もう一度、この恋が「夢」であるとし、
「愛の谷間」で「溺れ」苦しんでいることを繰り返している。

彼は必ず家に帰るし、離婚の意思も全くない。


対して、彼女はどうなのだろう?

「嗚呼 お互いに気づいてる」と、彼は勝手に彼女もわかってくれていると解釈している。
果たして、そうだろうか?

彼が既婚だという事は最初からわかっていることだし、
離婚がそう簡単なことではないことも知っている。
秘密の関係と承知の上。

・・・だけど、付き合いが深くなるに連れ、独占したい気持ちが高まるのが普通ではないか。

「ただの遊びではない。本当に愛している。」

本気で囁いてくれる言葉を信じることはできても、
足を踏み入れられない高い壁の存在が常にあるのは、事実。
愛されるほど、哀しさも増すつらい恋。

この曲のプロモーションビデオの中でも、「彼女」は、ほとんど笑顔を見せない。
刹那な幸せ感はあるが、求めても求めても満たされない様子で辛そうだ。


『LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜』は
美しいメロディーで不倫の恋のトキメキをリアルに歌い上げ、
同時に、男の身勝手ささえも正直に心情を明かし、より幅広い聴衆に共感を誘う。
そして、その実、不倫に対して辛辣な視点を持つ姿勢で書かれた作品なのだ。

 

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=ブログ内記事の無断転載はご遠慮ください=

引用転載希望の場合はコメントをお願いします。

この読解はタイトル通り、私独自の発想で飛躍して歌詞を解釈している箇所が多々あります。

●「愛の谷間」は女体を連想するべきワードですが、あえて「妻と彼女両方への気持ちの狭間で溺れる」と解釈し、エロティックな方向を避けています。

●「日曜の朝、台所で妻に隠れて彼女を思い出し微笑む」「カフェでの彼女を仕草を無意識に真似る」の部分は私の創作であり、歌詞には出てこない内容です。

●青字の部分は極楽寺坂さんからの寄稿です。無断引用は厳にお慎み下さい。

 

 

夏をあきらめて

サザンオールスターズ「夏をあきらめて」を基にしたオリジナル恋物語です。

 

*************

 

きっかけはノリだった。
放課後の部室で誰かが「もうすぐ夏休みになるなぁ。」って言って、
「海に行きたい!」って叫んだ。
すぐに「みんなで行こう!!」ってことになって。

でも、私はほんとは乗り気じゃなかった。
だって、泳げないんだもん。

Kは、そんな私の表情にすぐ気付いた。

「せぇーーんぱい!先輩も行くでしょ?」

背の高いKが私を見下ろして言う。

「いやぁーーよ。泳げないのに。」

「いいじゃない?浮き輪しとけばいいよ!」

みんなが、ドッと笑う。
照れて膨れっ面の私にKがイタズラっぽい笑顔で囁いた。

「絶対ね?約束。」


あっと言う間に夏休みがやってきた。
海に行く話は何度か出たが、その度に
「何日は都合が悪い」とそれぞれが言い出し、
十数人の部員全員が可能な日取りが組めなかった。


このまま立ち消えになってしまうのかと思っていた
8月の半ば、Kから電話が来た。

「いいじゃん。みんなが都合悪いなら二人で行こうよ!」

「え?」

「『絶対、約束』って言ったじゃない?」



それから・・・

海へ行く約束をした次の日曜まで、
「打ち合わせ」と称して毎日、Kから電話があった。

本当は私もKが気になる存在だった。

話しやすくてノリがいい。
素っ気ないようで、本当はとても優しい。
だけど、その優しさは「先輩への気遣い」なのか、それとも・・・。

一つ年下の男の子。
たった一つなんだけど、学生の時の「一つ下」はすごく大きい。 毎日、電話で話して、海に行く話で盛り上がって・・・。
声を聴くだけで楽しくて、ドキドキして、嬉しくって。
・・・でも、まっすぐ「恋」になっていかなかったのは、
やっぱり後輩だったからかな?


そして、ついに日曜。
あんなに楽しみにしてたのに、朝からどんより曇り空。
どうやら台風が近づいて来ているらしい。

だけど、延期なんてできなかった。
2度乗り換えをして、2時間、電車で揺られながら、海に向かった。

・・・やだな。
二人っきりだと思うように話せない。ドキドキする。
Kもいろいろ話しかけてくれるんだけど、やっぱりぎこちない。
空回りしてる。ああ、余計、緊張するじゃない?!



海が近くなった頃、

「ああ・・・、降るな、こりゃ確実に。」

Kが白く細いきれいな首をねじって窓の外を見、つぶやいた。

西の空から黒い雲が広がって来ている。
昨日までは、あんなに暑かったのに、気温もぐっと下がっている。
これでは、とても海には入れない・・・。
諦めきれない悔しさが、遠くの海を眺めるKの薄茶色の瞳ににじんでいた。

それでも浜まで行ってみたけれど、高波のため遊泳が禁止されていた。
大きな波がいくつも押し寄せてきては砕ける。

「あーあ、泳ぎたかったのにな!」

思わず、そう言うと、Kがいつものイタズラっぽい瞳で

「泳げば?」

って言うから、「楽しみにしてたのに。」の言葉は飲み込んでしまった。

「日頃の行いは、いいはずなのになぁ?!なんでぇ?!」

強風に煽られて乱れる髪を手で押さえながら海に叫ぶと

「なんでだよぉ~~~!!」

Kも大声で叫んだ。

すると、いきなり大粒の雨が降ってきて、慌てて海岸通りまで引き返した。



雨宿りに駆け込んだ喫茶店。

窓際のテーブルにひじをついて、雨の渚をぼんやり眺める。
濡れた髪を拭くようにタオルを勧めても、Kは

「いいよ。」と頭を振った。

「きゃっ!ほら、しずくが飛ぶじゃない?!」

そう言って強引に頭の上にタオルをかぶせて拭いてやると、
一瞬、捨てネコのような甘えた目をした。


ホットミルクティーのカップを両手で持って、湯気を吹く。
その向こうにKがいる。
私を見つめている。

「大丈夫?冷えたんじゃない?」

「大丈夫、紅茶でだいぶ暖まった。」

「ほんと?」

Kが私の手を取った。

「ほんとだ。」

急に手を握られて、驚きの余り、返事ができない。
Kはまだ手を離さない。

「先輩の髪も濡れてるよ。」

Kの指が髪に触れるとしずくが鼻の頭にポトンと落ちた。

「どうしよう?これから・・・」



窓の外では激しい海鳴りが響いている。
私の胸にも、高い波が押し寄せてきて・・・・
ああ、波に飲まれそう・・・。

本当に・・・どうしよう?これから。。。

  

あれから、私は短大に進学し、就職した。
Kはまだ大学生。
時々、思い出したように電話をくれる。

春には車の免許を取りたいと話していた。
そして先日、

「免許、取ったよ!車でどこか行こう!!」

と弾んだ声でかかってきた。

免許取りたての助手席に乗るのは、ちょっと怖いけど、
一番に乗せたいと思ってくれる相手が私なんて、とても嬉しかった。


初夏の日曜。
Kの車で海を見に行った。

思ったより、Kは運転が上手かった。
でも、私はドキドキして緊張していた。
久しぶりに会うKは少し大人になっていた。

Kがいろんな話を気さくに話しかけてきてくれる。
楽しく大学生活を送っているようだ。
私もOLの仕事に慣れてきた。職場の気になる彼と、ちょっとイイ関係だったりするけど、
・・・ま、これはKには内緒♪


カーラジオをかけていた。
曲も聴かずに、おしゃべりばかりしていた。
でも、サビのフレーズを聴いて・・・
思わず二人とも黙り込んでしまった。

♪ノッポのサリーは今どこにいるの♪

Kは背が高い。
私はすごく低い。

だから、Kは私に話しかける時、いつも私の顔を覗き込むように首を曲げる。
その度に私はドキリとする。

高校の時、二人で海に行ったあの夏。
あの時、確かに私達はお互いを求めていた。
だけど、夏休みが終わったら、元通りの「先輩」と「後輩」になった。
卒業の時、本当は後悔していた。
Kに本当の気持ちを伝えないまま、去ってしまったことを・・・。

今はもう「先輩」でも「後輩」でもない。
Kは相変わらず「先輩」って呼ぶけど。
・・・あれから、もう5年。
今でもKは私を想ってくれていると自惚れてもいいのかしら?
ノッポのKの心は・・・今、どこに?

運転席のKも黙り込んでいる。
曲がサビのフレーズを繰り返し・・・
私はちょっと泣きそうになった。

その時、
目の前に大きな橋が見えてきて、
左手にキラキラ光る海が広がった。
カモメが飛んでいる。遠くに客船が見える。

「海だぁ!」

Kが叫んで、雰囲気はいっぺんに元通り♪
こういうKの明るさが、私、好き!


突堤に車を停めて、
二人で並んで、海を見ながら話した。

来年は就職のKは将来について考えていることを色々と話してくれた。
潮風がKの髪を揺らしていた。
Kの描く「将来」に私の姿はあるのかな?とか、
ちょっと思ったけど、・・・やっぱり聞けなかった。



フェリーターミナルには大型の客船が並んで停泊していた。

「すごい!この船、沖縄行きだって!!」

思わず、はしゃぐと、

「行きたいな。密航する?」

なんて、例のイタズラっぽい瞳で言われて、

「密航しよう!!」

小声で叫んで、子供のように笑った。



お茶を飲みに入った喫茶店で、Kは煙草の箱を取り出した。

「え?煙草、吸うの?」

「うん。」

こともなげに、そう言って、Kはずいぶんと格好を付けて煙草をふかした。
そんなことしなくったって、私はさっきから、Kが「男」になったことを感じているのに。

Kの優しいまなざしの中でおぼれる。
ずっと前から私を知ってくれている人。
いつも変わらずに私のことを想ってくれている人。
すごく、すごく大切な人・・・



夕暮れの空を右手に帰り道。

「今日も海に行ったけど、泳げなかったね。」

「そりゃあ無理よ。だってまだ6月だもん。」

「あの時も、泳げなかった。」

「・・・うん。そうだね。」

あの時・・・
結局、びしょぬれで帰宅して二人とも風邪引いたんだっけ。
海岸通りから駅までの途中に、そういうホテルもあったんだけど、
看板を見ただけでなぜか二人とも早足になっちゃった!

「はははっ!あの頃は純情だったなぁ~!!」

「だって、高校生だったしーー。」

「ええっ?高校でもやってる奴はやってたよ?」

「そうなの?!・・・」

「あの時、ホテル行ってりゃ風邪引かなくて済んだのにな、二人とも。行くべきだったよな!」

「え?」


んーーー・・・、話が妙な方に行ってしまったような。


「先輩、まだ時間いいでしょ?」

「え?んーー、そうね・・・・」


ハンドルを持つKの横顔を見ながら、
私は中途半端な返事をした。



一時間後、私達はホテルのベッドにいた。
Kは何度も何度もキスして、
そして私をじっと見つめて

「ああっ・・・、ダメだぁ・・・・」

大きなため息と共に私の胸に顔を埋めた。

頭を抱いて、髪を撫でてやると、
Kは子猫のように目を閉じた。



だからって私は別にKを嫌いになったりはしなかったんだけど、
Kからの連絡は、それ以来、途切れてしまった。
こちらからも電話しづらくて、それっきり・・・。



そして、それからもまた月日が流れた。
きっとKもどこかで幸せに暮らしているのだと思う。
だけど、夏が近づくと・・・
私は毎年、あの泳げなかった夏を思い出す。
Kの海になりたかった、と思う。

「朝方ムーンライト」

サザンオールスターズ「朝方ムーンライト」を基にしたオリジナル恋物語です。

 

************

 

最近、パターンだよね?
いつもの場所で会って、
飲んで
ホテル行って・・・みたいな。


抱かれる度に、なんか悲しい。
だって、その時だけだもん。
あなたが私に優しくしてくれるの。

スタバとさー、居酒屋と、
・・・他、どっか行ったっけ?今年になってから。


花火大会があるのよ、来週。
私、浴衣着るからさ、・・・ね?
・・・・・・・・・どうして、そんな
うざいなんて顔するの?!

あなたは私のこと
「俺を見ていない。お前は恋に恋してるだけだ。」って言ったけど、
あなただって、
・・・何のために私と付き合ってるの?

煙草をふかせて「こんなもんだろ」なんて・・・
私が悲しそうな顔をすると
あなたは嬉しそうな顔をするのね?


あの日に見た月を覚えてる?
非常階段を駆け上がって屋上で見た白い月。
二人とも、はぁはぁ息を切らせて
「きれい!」って抱き合った。
あの時のあなたの瞳、忘れない。

もう一度、あんな感じで抱き合えたら・・・


あなたの指が私の曲線をなぞる。
私が苦しそうな顔をすると
あなたは愛おしそうな目をしてくれるのね?

雨が降ってきたわ・・・。

抱かれて愛されて
愛されたくて泣きたくなる。
「恋人」かな?私。
もっと、ちゃんと扱ってよ、私のこと。

~黄昏のサマー・ホリデイ~

サザンオールスターズ「黄昏のサマー・ホリデイ」を基に創作したオリジナル恋物語です。

 

************

 

今日は一人娘の幼稚園のお泊まり保育の出発日。
たった一泊の旅行とはいえ、6才になる今まで一度も親と離れて寝たことのない娘。
心配でならない。

行合橋付近から園児達を乗せた大型観光バスが出発する。
バスの窓から見える娘は笑顔で手を振り、隣の席のお友達と楽しそうに話している。
娘に手を振り見送りながら、今夜、本当に淋しいのは私の方かもしれないと思う。


行きは娘と手を繋いで歩いて来た道も、帰りは一人。
早起きしてお弁当を作ったり、バタバタと用意をした疲れが出て、虚脱感に襲われる。


命の限りに鳴く蝉時雨。
ふと、こんなことが前にもあったと思い出す。

そう、あの日も・・・・

あのバス停まで、彼を見送った。
ずっと繋いでいた手を離すと彼はバスに乗り込んだ。
砂煙を上げて走っていくバスが見えなくなるまで、私はその場に立ち尽くしていた。
彼も・・・旅立ちを前に胸が弾んでいたのかしら?
心がちぎれそうに痛かったのは、私だけ?

・・・全てを捨てて、彼についていかなかったのは私の方。
あの時、彼との恋は死んだのだ。
彼への恋心も、自らの手で握りつぶしたはずなのに。
「もしも、あの時、勇気を振り絞って私もバスに乗って遠くの街へ行っていれば、今頃・・・」なんて。
なんで、そんな愚にもつかないことを思い巡らせているの?
何を私は後悔しているの?


家に帰ると夫はまだ寝ていた。
暑さにのどが渇き、ビールを飲んでゴロリと横になると、腕を引っ張られて抱かれた。
胸に彼を置いたまま、体だけ揺らされるのは、なんだか辛くて、自分が卑しく思える。


そうでなくても暑いのに、汗をたっぷりかいて、また洗濯物が増えた。
シャワーを浴びて、アイスコーヒーを片手にダイニングキッチンのテーブルに肘をつく。

いつの間に出掛けたのか、夫はもういない。
シンとした部屋の中、風鈴の音だけが聞こえる。


彼との想い出が次々と心に蘇る。
耐えきれなくて、携帯電話を手に取る。
でも今日は日曜日。
友人は皆、外出しているだろう。
家族と、或いは恋人と笑い合いながら過ごしているに違いない・・・。
こんな日曜を過ごしているのは、きっと私だけ。


夕刻になっても涼しくならない。
強い西日が射している。


波の打ち寄せる浜辺に立って、あの日もここにいたことを思い出す。
そして、もう一度、彼との想い出を小箱に詰め込み、海へ投げ捨てる。
「あの日々はもう帰らない」何百回唱えても、残る後悔。
何度、海に捨てても、思わぬ拍子に、プカリと海面に浮かび上がる彼への気持ち。


だから、夏の日曜は嫌い。
だから、私は夏の日曜に泣き濡れる。

歌詞から見る桑田佳祐~サザン

桑田佳祐は、天才だと思う。
彼の詩作の力量は凡人の及ぶところではない。


「胸さわぎの腰つき」~『勝手にシンドバッド』
「誘い涙の日が落ちる」~『いとしのエリー』
「乱れそうな胸を大事に風に任せているだけ」~『C調言葉にご用心』



初期作品の自由な言葉遊びは斬新で独創性に富んでいる。
心地よいメロディーと一体となることで、独特の歌声がその意味を聴き手に伝える。

男性にも女性にも、そして世代を越えて支持されるカリスマ性。
今年でサザンオールスターズはデビュー25周年。
こんなにも長期に渡って、現役トップの座を維持するバンドは稀有だ。


桑田佳祐の魅力は、
相反するものを併せ持つ、そのバランスの取り方の妙ではないかと思う。

「カッコイイ」×「カッコ悪い」
「美しさ」×「醜さ」
「信頼」×「裏切り」

彼は詩の世界で、いつも大抵、泣いている。
それも、未練たらたら、かなり見苦しい泣きだ。
「あの夏に戻りたい」と彼は訴え続けている。

『真夏の果実』のような美しい曲を作るかと思えば、
ギョッとするようなエロティックな曲を楽しげに歌う。

ファンを大切にし、往復ハガキでのファンレターには必ず返信するし、
ファンが自分に求めるものを絶えず意識している反面、
それを裏切って行く大胆さ。

シーソーのように揺れながら、バランスを保つ姿に、ドキドキし、母性本能をくすぐられる。
とても愛らしい男だ。

そして、これこそ、彼が天才肌を持つ人の証だろうと思う。
天才は、赤ちゃんのような人だから。


この2年間のソロ活動では、コカコーラ等のCMタイアップとして
「波乗りジョニー」「白い恋人達」を確実にヒットさせる一方、
シングルとして発売するのは、かなりの冒険だったのではないかと思われる
重い曲「東京」や、挑発的な歌詞が多いアルバム『ROCK AND ROLL HERO』がリリースされた。

これらの曲の詞の世界で、彼は等身大の、今の自分をストレートに語っている。
アルバム『ROCK AND ROLL HERO』の一曲目「HOLD ON(It's Alright)」の歌い始めは


♪Well, 縁がありゃ僕のステージを観て頂戴
♪老後の不安に苛(さいな)まれし御同輩
♪年柄年中愛を唄いてナンボ
♪Life goes on. I'm dreamin' on.



四十代後半となった彼の姿が素のままに表れている。
アルバム内で、自身が若い頃から最も好むリズムに乗せ、
率直な社会批判、相当な毒舌を繰り広げている。
それが、さして問題にもならず、CMで堂々と流れたりするのは、この国がぬるいからだと思う。


「波乗りジョニー」「白い恋人達」は恋を歌った曲で、
季節が夏と冬、曲調も違うのでイメージが異なるが、
歌われている歌詞の世界は、ほぼ同一だ。
「東京」のカップリング「可愛いミーナ」も、そう。
昔の恋を思い出し、胸を痛めるという構成。
3年前の大ヒット曲「TSUNAMI」と通じている。
しかし、切り口が違うので、それぞれに違う輝きを見せる。

「夏の日の少年」は、10代の息子さんを持つ父の気持ちではないかと推察する。
子の姿を通じて、よみがえった排他的で虚無的な10代の頃の感情、
それを今の自分の目で振り返った曲ではないか。


今年の夏はサザンオールスターズの活動が再開、
今、そのためのレコーディングが行われているらしい。

どのような曲を持ってくるのか、とても興味がある。

「サザン復活」ということで絶対にはずせないはずだから、プレッシャーも大きいだろう。
苦しみながら、楽しんで作っているのだろうか。
今は、我々ファンはただ待つのみ。
メンバーの健康を祈りつつ、熱い夏を期待ーーーー

 

************

 

2003.04.05の日記再掲

読解・曲解 桑田佳祐『月』

冷え冷えとした夜空が美しい季節になってきた。
 桑田佳祐さんのソロ作品『月』(←試聴できます)を味わってみたい。


 『月』は桑田さんが「好きな曲」として必ず挙げる一曲。
 この曲を越える事がなかなかできないとも言う。

 リリースは1994年8月24日。今からちょうど10年前、桑田さんが38才の時の作品だ。

 この年、1994年3月に桑田さんのお母様が急死されている。
 今年、亡くなられたお父様はご病気が長く、入院なさっておられたようだが、
 お母様の場合は、急なことで、その分、桑田さんのショックも大きかったようだ。


 「月」という言葉は女性を暗示する。

 悲しみを歌う曲が多い桑田作品の中でも、この曲はとりわけ深い悲しみをまとっている。
 歌声も他作品にはない極めて真摯なものだ。
 ゆえに、この曲は亡くなられたお母様を想って書かれた作品ではないかと言われている。

 しかし、そう考えるとつじつまの合わない部分も併せ持つ難解な曲としても有名だ。


 まず、イントロでハーモニカが寂しさを募らせる音を響かせる。

 暗い夜空の高い所で白く清く、まろい明りで照る月。
 草木のざわめき。

 そして、何より、彼が一人であることを告げる音を聴かせる。


 ♪遠く遠く海へと下る 忍ぶ川のほとりを歩き
 ♪果ての街にたどり着く頃 空の色が哀しく見える



 桑田さんの生家は言うまでもなく、茅ヶ崎。
 「海」の近くの町である。

 「忍ぶ」とあるが「偲ぶ」の意味も含めているのではないか。


 今の生活拠点は、故郷から離れた東京。
 だけど、胸の中に流れる川は遠く海の近くの町「茅ヶ崎」へと繋がっている。
 そこへは、母がいたのだ。

 だが、その母を亡くしてしまった。
 一人の夜は、母を偲び、あれこれ物を想う。

 今、自分が住んでいる東京の家(果ての街)に母を感じるものはない。
 喪失感でいっぱい。哀しみの真っ只中にいる男の姿が浮かぶ。


 ♪振り返る故郷(ばしょ)は遥か遠くなる
 ♪柔らかな胸に抱かれてみたい



 思えば、いつも母には甘えていた。
 何をしても自分を優しく包んでくれる母がいた。

 その母が急に亡くなった寂しさ、
 安心して寄りかかることのできる場所をなくしたある種の不安感。

 自分には、まだまだ必要な存在だったのに。


 ♪君を見ました 月見る花に 泣けてきました
 ♪嗚呼・・・



 月夜の下で、すっと茎を伸ばして咲く花に母の面影を見たのだろうか。
 元気で肝っ玉母さんだった強い母。

 その姿を想うだけで、ただただ泣ける。
 

♪蒼い月が旅路を照らし 長い影に孤独を悟る
 ♪人の夢は浮かんで堕ちて されど赤い陽はまた昇る


 旅路=人生

 蒼い月(=寂しさを持った静かな心で)旅路(=これまでの自分の半生。亡き母の人生。)を
 照らし(=点検するように、ゆっくりとしみじみ振り返ってみると)

 長い影=夕刻を示す。つまり、人生の終盤。

 希望や夢も持った。
 それが叶ったこともあったし、また、いつの間にか堕落したり、
 得たはずの地位名誉が失墜したりしたこともあった。
 (=人生の喜怒哀楽)

 それでも、尚、諦めず、明日を迎える自分がいる。(まだ自分の人生は続く。)
 そうして人生は続いていくものだと思っていた。(なのに、母は急に亡くなってしまった。)


 ♪啼(な)きながら鳥は何処(どこ)へ帰るだろう
 ♪翔(と)び慣れた夜もひとりじゃ辛い



 童謡「七つの子」で、からすが鳴くのは子烏が待つ山の巣に帰るためだと歌われている。
 母(=安心できる場所、家)を亡くした自分は帰る場所を失ってしまったよう。

 これまでヤンチャして来れたのも、母がいてくれるからこその安心感からだった。
 暗闇に一人放り出されたように心もとない。


 ♪君と寝ました 他人のままで 惚れていました
 ♪嗚呼・・・



 冒頭の歌詞に出てくる『忍ぶ川』について、
 三浦哲郎の芥川賞受賞小説『忍ぶ川』を読みながら、この曲を桑田さんが作った、という情報を頂いた。
 (ムクひげちゃん、ありがとう!)


 この小説を原作とした映画『忍ぶ川』(1972年製作)は栗原小巻の全裸シーンがあるということで
 当時、話題作だったようだ。
 だが、内容は至って清い純愛のお話らしい。

 公開当時、私は小学生・・・。さすがに知らない。
 だけど、私より8歳年上の桑田さんは多感な盛り。
 とても印象の強い一本だったのかも。


 では、なぜ、ここで『忍ぶ川』が歌詞に出てくるか、だが、
 一つには、桑田さんのお父様が映画館を経営なさっていたということ。
 その影響もあってか、桑田さん自身が映画がお好きなこと。
 そして、映画『忍ぶ川』での主役の男女のベッドシーンが大変美しいことがあるのではないかと
 推察する。

 全裸で床に入るシーンが、全く猥褻ではなく、むしろ、純粋で真摯な愛を表現しているとのことだ。

 「君と寝ました」という歌詞に、この意味がかかってくる・・・と考えたい。
 「他人のままで」「惚れていました」と続く語は、やはり男女の愛を歌っているかのように感じさせる。

 しかし、これは純粋で真摯な愛情を強調するための言葉ではないだろうか。

 実のところは、幼い日の母の添い寝、慕情ではないかと思うが、
 曲そのものをいろんな捉え方ができるよう多少の細工を施しているのではないかと想像する。

 「亡き母を歌う歌」に限定したくはないのだろう。


 また、2004年3月、
 桑田さんがお父様を亡くされた時に作られた
 サザンオールスターズ『彩~Aja~』(←試聴できます)の冒頭の歌詞にも
 “陽のあたる坂道”という映画のタイトルが隠れて出てくるのは、
 この曲との対の意味をなしているから・・・と考えるのは飛躍しすぎだろうか?

 

 ♪夏の空に流れる星は さわぐ胸をかすめて消えた
 ♪波の音に哀しみを知り 白い砂が涙でにじむ



 流れる星=誰かの命が尽きることの暗示

 さわぐ胸をかすめて
 ・・・親しい人の死の予兆を“虫の知らせ”として感じることがあるという。

 或いはーーー

 流れる星・・・「無念さ」+「哀しみを背負った美しさ」と解釈して

 「母を亡くして悲嘆に暮れる彼は静かな浜辺で夜空を見上げ、
 その美しさに更なる悲しみを募らせている」

 ・・・というイメージが浮かぶ。


 ♪罪深き風が風が肌を萌(も)やす季節(とき)
 ♪酔いながら人は抱かれてみたい



 桑田さんがお母様を亡くされたのは弥生三月、まだ春浅い季節。
 段々と暖かくなり、緑が芽を吹き、萌える時。

 夜の浜辺に一人立つ彼の頬を、早い春の風が優しく撫ぜる。


 「罪深い」・・・とは、どういう意味だろう?

 母のあまりにも急だった死を悔やんでいるのだろうか。


 何も親孝行らしいこともできなかった。
 これからは、やっと、いろいろとできそうだと思い始めていたところなのに。


 母は苦労のし通しで働いてきて、
 そんな母に、自分は迷惑や心配を掛けてばかり・・・。

 なんと親不孝な、至らない息子だったことだろう。

 あたたかな母の胸に抱かれ、許しを請いたい。
 ・・・きっと、母はそんな自分をも優しく抱きとめ、にっこり微笑んでくれるだろう。


 ♪君と寝ました 月夜の蚊帳で 濡れていました
 ♪嗚呼・・・



 母の胸に抱かれ、その安心感のまま、眠りにつけたら、どんなに幸せだろう。

 子どもの時の、あの夏の日、
 蚊帳の中で母に添い寝してもらって眠ったように・・・。

 暑くて開け放した窓から月が見えていた。

 頬に触れる母の胸は柔らかで温かく、しっとりとした肌だった。


 ♪揺れて見えます 今宵の月は 泣けてきました
 ♪嗚呼・・・



 あの子どもの時に見た同じ月を、今、一人きりで眺めていると
 自然と涙が溢れ、ゆらゆらと月が揺れて見える。

 思い返すたび、母への慕情と、失った悲しみで胸が痛む。
 深い悲しみが身を包み、今宵は涙を止められそうもない。


 ・・・・このように私は解釈してみたが、
 取り様によっては男女の愛を歌ったものとしても聴ける。

 様々な味わい方のできる多面性を持たせた作品つくりが桑田さんの才能の非凡さを示していると思う。

~ようこそ~

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