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2010年12月24日 (金)

小池真理子「無花果の森」完結

日経新聞夕刊の連載小説「無花果の森」(小池真理子)が完結した。

 

失踪(逃亡)生活の様子を綴った物語。

全体に非常に陰鬱で暗く、地味~~~~~な

ほんとに地味~~~~~~~さを強調したようなね、

そういう描写が大変多い。

 

季節は、雨が降り止まない湿気過多な梅雨。

主人公の女性は、化粧っ気もなく、薄幸そうな顔立ち・・・・。

舞台となる岐阜県大崖(大垣市がモデルらしい)の町は

そんなに過疎っているのか??と思うほど、駅前にも人影のない淋しさ・・・

 

しかし、登場人物たちは本来はとても華やかなはずの設定なのだ。

女主人公は有名映画監督の妻だし、

有名画家の老女、

週刊雑誌の記者、

そして、大柄のオカマ。

 

いくらでも、もっと華やかな物語になりそうな面々が揃っているはずなのに、

彼らは皆、世間から隔絶され、閉ざされた巣のような場所で、

ひっそりと息をして日々を暮らしている。

 

「死」を絶えずそばに感じながらも、絶望だけは避け、

とにかく「生きる」試みに必死な主人公・・・・・

 

その描写は、やはり非常に平坦で殺風景で、暗い。

出口のない話・・・・。

閉塞感。

 

一体、この話はどう終結するのだろう?と何度か思った。

そういう「先の見えない気分」を登場人物たちと共有しながら読み進める。

 

これだけだと、なんだかとてもつまらない小説のようだ。

ところが、どっこい!

こんなに地味な話で、行動範囲も非常に狭い話なのだが、

老画家とオカマの毒舌、毒舌に隠された人情味がビシビシと物語を引っ張っていく。

 

それと・・・・

主人公・泉と鉄治がね、

これはもう二人は恋仲になるんでしょう、と

かーなり早い段階で察しがつくのに、なかなか結ばれずにね、

引っ張るんですよ~~~~~~

それで私は読まされましたわ、この小説!

 

鉄治も、これがまたいい男でね、

男の香りプンプンで。

オカマに惚れられるくらいのいい男なわけです。

 

梅雨が明け、

重い閉塞感が、今度は夏の太陽の容赦ない照りつけに変わり、

クーラーの風の黴臭さ、外気の重さ、壊れかけた室外機の騒音に逼塞し生活しながらも

徐々に少しずつ、人間らしい活動が増えてきて

鉄治と愛し合い、自分の体に温かい血が通うのを久しぶりに感じたりしながら

本当に少しずつ、失われた「当たり前にあるはずの安心感」を取り戻していく。

 

ゆっくり進んできた物語はラスト、急速にハンドルが切られ展開していく。

しかし、ラストがいいと、やっぱ話全体が「よかったな~」って印象になるよね!

すごくドラマティックで素敵なラストシーンで、

本当に最後に綺麗なリボンをかけられて締めくくられて

読後感がよかったわ・・・・・。

 

この話、映画になるんじゃないかなぁ・・・という気がする。

映画になったら、良さそうなのよね。

鉄治、いい男だし!

どの俳優さんがいいかなぁ・・・なんてキャスティングを考えるのも楽しいですよ!

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コメント

Merry Christmas!

素敵なクリスマスをお過ごしくださいね。

深くて、地味なお話ですね。

小説は僕はあまり読まないですが、この作品を読んでみたいなと思っています。

■よっちさん

おひさしぶりー!
メリークリスマス☆

この作品、面白かったですよ~
新聞小説は毎日少しずつ読めるし
なかなか面白いものが多いのでおすすめですよー♪

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