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2013年6月 4日 (火)

認知症に抑肝散、効果あるようだ

2008年、ちょうどリーマンショックの時期に二度目の脳梗塞を起こした母。

父の献身的な介護や、デイサービスで過ごす楽しい時間のおかげで

認知症を患いながらも、そこそこ元気に、明るく毎日を送れている。

 

ところが、2ヵ月前くらいから幻視の症状が現れた。

「父親」が家にいる、と言うらしい。

 

80才の母の父親は、もちろん既に亡くなっている。もう40年以上前に。

この時点で、母の発言が異常だとわかる。

 

夜、母がトイレに行く際には、父が介助をしているのだが、

それは自分の「父親」がしてくれている、と母は言うらしい。

懸命に介護をしている父としては、

「何、言うてるんや!俺がやってるんやないかい。」

と言ってしまう。

しかし、「父親」が見えている母には、それは認識が食い違うため

頭から否定され、気分を害する。

そうして、父と母の関係性が次第に悪くなっていってしまった。

 

「夜中にトイレに連れて行ってくれる男性」=自分の父親

そうイメージするのは、割と自然で理屈は通る。

 

父も、もうちょっと余裕をもって

いったん母の話を受け止めて、「そうか。」と言ってから

じわっと、現実へ話を修正していけば正面衝突は避けられるのだが。

母も、「父親」がいるのはおかしい、ということは一応、理解できるのだ。

しかし、現に母には見えているのだから、おかしいと言われても困るし混乱する。

 

最初、夜中だけ見えていた幻視が、次第に昼間にも現れ、

「誰かいる」と家のあちこちを母が探すようになり、

かかりつけ医に相談したところ、市立病院での診察を勧められた。

 

すると、これまで飲んでいた薬のうち

デパスをやめるように指示された。

 

デパスは効果のある良い薬なのだが、長期服用すると幻覚などの副作用が現れることもあるという。

母はもう4年半も飲み続けているので、この影響かもしれない、とのことだった。

しかし、デパスを急にやめると反動がくる。

以前、かかりつけ医からもデパスを減らす試みがあったのだが、急に調子が荒れ始め

慌てて元の量に戻したのだった。

だから、今回、1週間くらいかけて徐々に減らしていくことになった。

 

同時に、漢方薬である抑肝散が処方された。

(医師による効果の詳しい記事は↑上記リンク参照)

 

抑肝散は、元々、子どもの夜泣き止めなどとして用いられていたが、

近年、認知症の幻覚に効果があることが認められた漢方薬。

身体にも穏やかだし、これは期待できそうだ。

 

やれやれ、これで安心かーーと思いきや、

デパスを止め、漢方薬を飲み始めて1週間経った頃、

急激に母の調子が悪くなってしまった。

 

・昼でも幻視が起こる。しかも、かなりはっきりとリアリティーを持って見えている様子。

・夜も何回も目を覚まし起き上がって、幻視を見ていて不眠状態。

・麻痺のある右手の動きが急に悪くなり、自力で食事ができなくなった。

・ろれつが回らなくなり、しゃべっている内容が意味不明になった。

 

少し前まで、母は自分で麻痺がある右手で箸を持ち、食事ができていた。(こぼすけど)

会話も、十分ではないものの意思疎通はできる状態だったのに。

 

父は、脳梗塞再発の兆しか!?と慌てて、かかりつけ医へ母を連れて行ったのだが、

その日は特に処置なし。

 

そうしたら、翌日からこれまた急に幻覚がなくなり、夜、安眠するようになった。

手や言語能力の方も、徐々にましになっているようだ。

 

今では、もう全く「父親」の姿は見えないらしい。

「あんなに『誰かいる!』って言ってたのに、なあ?」と父が言うと

母は笑って「そうやなぁ~!」なんて言うらしい。

 

先週、市立病院で2度目の診察を受けた。

医師は、これを「デパスをやめた反動」だろうと説明した。

アルコールと同じく、急にやめると離脱症状が出るのだ。

抑肝散の効果が表れているようなので、このまま続けてみるように、との指示だった。

 

父は

「あの漢方薬はすごいなぁ!あんなに効くものとは・・・」と感嘆の声をあげている。

もう少し、早めに抑肝散に切り替えておけばよかったとさえ思う。

 

認知症でいよいよボケてきた、と諦めたりせず、

受診して、いい薬を処方してもらえて、本当によかった。

80才。

年齢も年齢だけど、それでも

できるだけ、心身共に健やかに、質の良い生活を維持してほしいから、ね。

 

 

※2013.11.4追記

 

母が抑肝散を服用したのは3ヶ月程度で、現在は飲んでいません。

薬全体が以前の半分の量に調整し直され、かなり減ったのですが、

かえって、それが良かったのか、

ここ最近は大変、調子が良く、気分もすっきり、

思考もずいぶんすっきりしていうようです。

体重の減量にも成功し、わずかな距離ながらも自力歩行ができるようになりました。

(転ばないか、たえず見守っていないといけませんが)

 

以前は異常に食欲がありました。

今から思うと、それも脳の機能の方に問題があったか、

或いは、薬の副作用だったのか、とも思います。

今は、年齢相応の食事量で自分から箸を置きます。

 

脳梗塞で倒れて以来、今が一番、状態が良いようです。

本人もそう感じているようで、体調に自信を得ている様子。

それだけに転倒などのケガが心配になりますが…

 

とりあえず、調子の良い今を大事に生活してほしいと思います。

また何らかの困った症状が表れたら、それに応じて対処しけばいいかなぁと思っています。

 




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コメント

お父様もお母様も、そして何より周りのご家族の大変さがよくわかります。
私の両親も、偶然同世代。ふたりで田舎でどうしているやらと、胸が痛みます。


自分は介護の仕事をしているのに、親の介護はまったくしてなく、皮肉なものです。

漢方の話は、大変参考になります。やはり日本人は東洋の医学が体には、優しいのかもしれません。

お母様のご健康を願います。

■同士さん

ありがとうございます。

同士さんのご両親は先日、テレビに出てらしたご様子を見る限り、ご健康でしっかりしてらして羨ましいくらいでした。
それでも…ねぇ?
やっぱ、高齢を思うと…心配になりますよね。

私も普段は父に介護を任せっぱなしで。
この日記の、市立病院への診察の時だけは付き添ってるんです。
問診票を書いたり、会計も、滅多に行かない大きな病院だと、父も戸惑うようで。

介護のお仕事をされていると、いろんな状態の方をご覧になって、よく知ってらっしゃるでしょうけども
本当に…脳ってのは、ちょっとの加減でずいぶん影響がでるんだなぁ、って思いますわ。

今回の母のケースも、素人には何がどうなっているのか、詳しいことはわかんないんですが
薬の加減(+母の状態)でこんなにも変化が出るなんて。


抑肝散、もっと一般的に使われるようになればいいな、と思います。

薬の変更の効果が出て本当に良かったですね。
お母様が少しでも落ち着かれますようにお祈りします。
お父様も、いつまでもお元気でいらっしゃいますように。

■59さま

ありがとうございます。

今日も市立病院へ付き添ってきたんですが、通院はこれで終わり!
かかりつけ医へ薬の種類の変更を伝達する手紙を書いてもらえたので、
今後は、近所のかかりつけ医にて処方してもらえます。
やれやれ~

それにしても、抑肝散はよく効くようで幻覚はもうすっかりないようです。
ただ、認知症は認知症なので、いろんな認知が正しくはないのですが…
それでも、人格とか性格を司る部分の脳は障害を受けていないので
接していて、安らげます。

父は相変わらずで、頑固にがんばってますわ。
母が元気でいてくれるうちは、父も生き生きしていることでしょう。

59さまのご両親様もお変わりありませんか?
親って、いてくれて、笑っていてくれるだけでありがたいものですね。

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